精神障害者の雇用が増えている理由とその問題

少し前のニュースになりますが、発達障害の話もチラッと出ていたのでじっくりと目を通すことにしました。

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数字ほど改善されていないのが実情

記事中にもありますが、精神障害者の雇用は9年前と比較すると実に15倍以上も増えているそうです。

私は障害者施設に勤めていた頃、障害者の雇用を積極的に行っていたり、障害者のみが働く部署を持つ企業を知っていましたが、年々障害者の雇用が増えていることは頻繁に耳にしていました。

ただ残念ながら、障害者に対して理解のある企業はほんの一握りなのが現実です。

積極的に障害者を雇用するのは名の通った大企業や経営的に体力のある企業ばかりで、その他企業のほとんどは障害者を敬遠しています。要するに障害者は「お荷物」扱いというのが本音でした。

 

 

そういった背景もあり、平成25年に改正された障害者雇用促進法では、法定雇用率を引き上げたり差別問題を無くすといった要項が盛り込まれましたが、障害者の雇用問題は数字ほど改善されていないように思います。

 

雇用率は増えてはいるが……

ここで下の図を見ていただきたいのですが、確かに障害者を雇用する率は右肩上がりにはなっていますね。

 

出典:plus-handicap.com

 

 

また、2013年では常用労働者200人以上の企業が対象だったものを、2015年の改正では100人にまで引き下げられましたが、今後も雇用の数は増え続けていくものと推測できるでしょう。

ただし、雇用者は増えても、企業単位で考えると単に増えているとは言いきれません。

 

出典:plus-handicap.com

 

上の図は障害者の法定雇用率を達成している企業の割合なんですが、2013年に大きく数字が落ち込んでしまっていることがわかりますでしょうか?

この2013年は法定雇用率が従来の1.8%から2.0%へ引き上げられた年でもあるんですが、障害者を雇用する企業の体質が根本から改善されたわけではない、ということが読み取れるはずです。

 

根深い差別問題

さて、話を戻しましょう。

障害者の雇用がこうも増え続けている理由の一つに、障害者雇用給付金が適用される企業の対象範囲が段階的に拡大されているという大きな背景があります。

また、中にはこの雇用給付金欲しさに障害者を雇用する悪質な企業も多く存在していますが、まだまだ障害者雇用に関する問題は山積みなのが実情でして、その主たる部分は記事中のこの部分に凝縮されているように感じています。

 

プレッシャーだけが問題ではなかった。

「やっぱり(一部の同僚からは)避けられました。挨拶しても無視。一緒のエレベーターに乗っても無視。そういうの、嫌だった。そういう人とも普通にしたかったんですけど……。『きちがい野郎』って。(話しかけると)『きちがいに言われたくないよ』って……。(障害者のことを)勉強している人だったら精神障害者への理解もあると思うけど、そうじゃない人にとっては『精神障害者はきちがい』は本音だと思います」※

※(おことわり) 本文中に渡邊さんの言葉として「きちがい」と表記しています。差別的な用語であり、本来は使用を避けるべきかもしれませんが、精神障害者の置かれた状況を示すために編集部の判断で使用しました。

 

……結局はこれなんですよね。

 

 

いわゆる偏見や差別問題とでも言うのか、冒頭でも触れたように、多くの健常者にとっては障害者は「お荷物」であり「腫れ物」な存在になっているんです。

 

まとめ

障害者が無理なく働ける職場環境を作るには、まずは何よりその人の抱える障害に対しての理解が求められます。

それには障害者雇用に伴う企業や健常者の負担も同時に求められるわけですが、障害者と健常者、そして企業に対して「平等」かつ「公平」な判断のもと、適切な指導が官民一体となって行われないことには、いつまでたってもこの問題は解決しないでしょう。

どちらかの言い分だけを聞いて相手にゴリ押しするのは、それこそが差別なわけですから。

 

 

障害者、特に精神障害者の雇用に関してはまだまだ大きな壁がありますが、その壁を取り壊すことよりもまず先にするべきことがある以気がしてなりません。

ただ、私なりの意見を言わせてもらうと、健常者の、健常者による、健常者のために作られた環境で障害者を雇用するよりも、障害者独自、無論健常者同等の待遇が成されるコミュニティを作った方が双方のためになりますし、社会的な負担も軽くなるとは思うんですが、どんなもんでしょうかね。

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