自閉症と健常者に明確な「境界線」はあるのか

先日、こんなニュースを見かけました。

 

誰もがその特性を持っている?「大人の発達障害」で注目された「自閉症」の基礎知識

つい先日ですが、「発達障害者支援法」が10年ぶりに改正され、発達障害がある人への教育・就労の支援の充実、社会的障壁を取り除くことが法律でも強調されました。

しかし、理解や支援といっても、実際のところ、発達障害ってどんな人たちなの?という方が多いのではないでしょうか。

「大人の発達障害」という言葉は、みなさんも一度は見聞きしたことがありませんか?

Amazonで「大人の発達障害」と検索すれば、実に200冊の書籍がヒットし、クローズアップ現代やNHKスペシャルなどでも取り上げられたテーマです。

複雑なコミュニケーションが求められる社会になるなか、困り感を抱える当事者へのサポートや強みを生かす支援、職場など周囲の理解の重要性が指摘されています。

引用元:ヤフーニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takeuchiyuno/20160623-00059163/

どこが障害者の境界線なのか?

何度か似たような話を記事にしてきたと思いますが、そもそも大人の発達障害っていうのは生まれつきのもので、後天的な障害、疾病ではありません。

まだまだここら辺の認知度は低いですが、10年ぶりに発達障害者支援法が改正されたのを機に、多少は発達障害とはどんな障害なのかということが認知されたように思います。

 

 

さて、この記事の中で一番注目したい点はここでしょうか。

 

自閉症と健常者に明確な境目はない

 

これを違った言葉で言うと、健常者(定型発達)と自閉症との線引きはできない、ということ。

つまり、自閉症特有の傾向が見られなくとも、誰もが大なり小なり自閉症の特性を持っているということなんです。

 

健常者にも自閉傾向は少なからずある

普通の健常者でも自閉症の特徴を持っている……ちょっと驚くことかもしれませんが、よくよく考えると人間誰もが一つや二つはあるような気がするんですよね。

例えば、アスペルガー症候群の特徴の一つに「何事もきちんと整理してないと気が済まない」といった特徴があります。

 

 

で、この整理整頓なんですけど、健常者(定型発達)でもこういう人って普通にいますよね?

これはそんなに珍しい話ではないと思いますので、この整理整頓の部分だけで自閉症かかどうかは線引きはできないはずです。

 

 

要するに、この「線引き」が非常に曖昧なわけでして、そこでAQテストと呼ばれる臨床的診断を行い、自閉症スペクトラムか健常者かを判断するわけです。

 

 

このAQテストはネットでも簡単に受けられるのですが、自閉症スペクトラムかどうかを診断するのはあくまで専門医であり、この点数が高いからといって自閉症スペクトラムとは簡単に決め付けられません。

 

 

だからこそ臨床的診断を行うのですが、私個人としては、別に無理に境界線を作る必要はないんじゃないかなとと思うんです。

発達障害かどうかは「程度」の問題なんですし、そこにはハッキリとした境界線は無いのですから。

 

障壁を乗り越えるには?

発達障害者と健常者の間には、それなりの境界線=壁は存在しています。

なぜならば、日本はとても同調圧力が強い社会なので、少しでも人と違う一面が出てしまうと奇異な目で見られやすいからです。

 

 

発達障害に対する理解と認知を深めるには、その部分をなんとかしなくてはいけないと思いますが、果たしてこの国が、個性や他人との違いを許せる成熟した社会になれるかは、正直、なんとも言えません……。

今後、少しでもこの国が良い方向に変わってくれることを祈るばかりです。