葬式仏教の是非とは? アマゾンお坊さん便から考える

人が亡くなったら葬式をするというのが日本の風潮ではありますが、近年ではその考え方が少しずつ変化しているように思います。

私は葬儀関係の仕事で働いていた事もあるので、あまりにも度が過ぎたサービスを売りにする現代日本の葬式については、「何のため、誰のための葬式なのか?」と、葬式のあり方については常に疑問を抱いていました。

そんな折、こんなニュースを目にしました。

 

ネット僧侶便はありか?

「葬儀や法事・法要があるが、お寺と付き合いがない」「お布施の相場が分からない」。こうしたニーズを背景に、インターネットを通じて手軽かつ定額明朗会計で僧侶を手配できるサービスの利用が増えている。仏教界からは「宗教の商品化だ」といった反発がある一方で、サービス業者に登録する僧侶数は上昇の一途。誰にも訪れる「死」、そして多くの日本人にとってそこに密接に関わる仏教の在り方が変わりつつある。

引用元:共同通信
http://this.kiji.is/132739747713041910

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年々増え続ける葬儀費用のトラブル

いざ葬式をするとなると何から手をつけていいのかまるでわからず、結局は葬儀屋の言いなりになるしかないので、気がつけばとんでもない高額な葬式になってしまったと後悔するご遺族が増えているようです。

事実、国民生活センターによると葬儀に関する相談は年々増加傾向にあり、ここに寄せられた件数以外でもかなりのトラブルが起こっているものと推測されます。

 

 

トラブルの内容はやはり葬式にかかる費用の問題がほとんどで、不透明すぎる葬儀屋の料金体系がそれを増長させている傾向があるように私は考えています。

 

費用の不透明さに一石を投じた「お坊さん便」

さて、その葬式費用の不透明さの代表格になるのは、葬式の際にかかる僧侶に対してのお布施の問題ではないでしょうか。

読経から戒名に至るまで、僧侶に対するお布施にははっきりとした料金が記されていません。要するに相場がわからないんですよね。

そんなわけなので、結局は僧侶、もしくは葬儀屋の「言いなり」に従うしかなく、これが結果的に葬儀費用の高騰を生じさせている部分もあります。

 

そこで、そんな不透明さに一石を投じたのがお坊さん便というサービスです。

 


[お坊さん便] 法事法要手配チケット (移動なし)
(amazon)
 

このお坊さん便とはネット上で簡単にお坊さんを呼べるといった内容のサービスで、今まで不透明だった読経、戒名等の料金体系を明確化したのが一番の大きな特徴となっています。

また、このお坊さん便はアマゾンに出品したことで大きな話題を呼び、受注件数はサービスを立ち上げた2013年度の比較で、2014年は3倍、2015年は7倍と非常にニーズの高まっているサービスとなっているようですね。

もちろん、ちゃんとしたお寺の住職が訪れるわけですから、安かろう悪かろうという理屈は全く通用しません。

私もお坊さん便のサイトを見たのですが、料金体系をきちんと明示してくれている点にはとても好感が持てました。

なんたって葬儀屋と提携している「職業坊主」のボッタクリさを目の当たりにしてきたわけですから(苦笑)

そんな名ばかりのお坊さんに、下手をすれば戒名だけでン十万円も毟り取られるのですからたまったもんじゃありません。

 

お坊さん便に反発する全日本仏教会の本音

……と、このようにご遺族にとって良いことづくめお坊さん便ですが、今までの既得利権を手放したくない全日本仏教会は、冒頭の記事中で次のように異議を唱えています。

 

全日本仏教会は、お坊さん便のアマゾン出品を受け「お布施はサービスの対価ではない」などと批判する文書を発表した。

隔月発行の葬儀専門誌「SOGI」の碑文谷創編集長は「葬儀とは故人のことも遺族のことも知った僧侶が信徒の生と死に関わるということ。ネットによる僧侶手配では『葬式仏教』にすらならない」と疑問を呈した。

 

……あのですね、これって図々しいにもほどがありますよ。

そもそも「葬式仏教」として行う現代日本の葬式自体がサービス業そのまんまなのですから、それに関わるお布施が「サービスではない」というのは自分らに都合よく解釈してるだけです。

特に、この一文なんかはそれをよく表していると思います。

 

葬儀とは故人のことも遺族のことも知った僧侶が信徒の生と死に関わるということ。

 

檀家を「飯の種」としか見ていない坊さんが、どれだけ故人や遺族のことを知っているというんでしょうか? 知っているのは資産状況ぐらいなもんでしょう? 裏じゃ「あそこんちはお布施少ねーよなw」なんて言ってるぐらいなんですから。

それなのにこの言い草は、あまりにも横暴だと言わざるをえません。

まず、現代日本の葬儀というものを考える必要があります。どのような経緯があって誕生した儀式なのかということを。

 

 

この記事でも書いたように、今の葬式とは先の戦後から急速に発展した「サービス業」の一つなわけでして、古来から伝わる厳格な儀式でもなんでもないんです。

ハローワーク等で調べてもわかりますけど、葬儀屋は「その他サービス業」に分類されていますからね。

 

葬式のスタイルは変化していく

これから葬式のスタイルは大きく変化してくると思います。

今までは「なんとなく」「みんながやっているから」といった理由で仏教を選択していた部分があるように見受けられますが、そもそも葬式をするのに無理に仏教を選択する必要性はないんですよね。

 

 

本来の葬式とは、現代の人間に見合った価値観で行われるべき儀式であり、一宗教にしか過ぎない仏教がああだこうだと難癖付けるのは、肝心な仏教そのものを否定しているような気がしてなりません。すごく矛盾した話です。

余談になりますが、仕事上で私自身が見てきたお坊さん達に、ろくな輩はいなかったです。これはプライベートでも同様ですが(苦笑)

これからの将来、日本における葬式仏教がどの方向に進んでいくのか、このお坊さん便を含めた上で、私達は「故人を見送る」ことについて様々な角度から考える必要があるように感じています。

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葬儀屋関係で働く

Posted by チャーリー