湯灌の歴史

湯灌(ゆかん)とは一体どんな葬儀式なのか、まずは歴史的な面を含めたお話しをしてみたいと思います。

 

出典:lastmake-shiki.com

 

湯灌について調べてみると、さも昔から伝わる格式高い儀式のように説明されているサイトが目立ちますが、これは全くのデタラメです。

なぜならば、古来から伝わる湯灌と現代の湯灌は似て異なるものとなっているからです。

文献で湯灌を確認できるのは1804年

湯灌の始まりについては様々な諸説がありますが、きちんとした文献で「湯灌」という文字が確認できるのは東海道中膝栗毛の巻3之上が最も古いものに当たります。

この東海道中膝栗毛の巻3之上が初刷されたのは文化元年(1804年)。ここに「湯灌場はどこだ」との一文がはっきりと記されていますので、少なくとも江戸時代後期には確実に存在していたことになるでしょう。

また、この当時は多くの寺院に湯灌場(ゆかんば)なるものが設けられていたのですが、それは葬儀式を行う場所というよりも死体検案をするための場所であったことが有力視されています。

まあ、当時の社会、文化的背景を考えればそれも頷けますよね。

 

現代の湯灌はバブル期に誕生した

これに対し現代に行われている湯灌は、全国的に「儀式」として広まり始めたのは1980年代後半のことです。それ以前から行われていた地域もありますが、現在ほどメジャーな葬儀式ではなかったと思います。

特定上等でお話ししますが(笑)、現代湯灌発祥の地は大阪です。

私の勤めたていた会社がその先駆けとなったことを先輩社員から何度も聞かされましたから、多分間違いはないでしょう。

ところで1980年代後半といえば、世はバブル景気真っ直中の酒池肉林な時代。何をするにも羽振りが良く、ここぞとばかりに札束が舞った時代です。

そんなバブル時代に始まった湯灌という儀式……もうピンと来ましたよね?

 

出典:年収ガイド

 

当時は葬儀にも大変な銭金が飛び交う時代でして、葬儀屋は少しでも多くの利益を上げようとありとあらゆるオプションやサービスを用意し、ここぞとばかりに莫大な利益を上げていました。

そして、その中のオプションの一つとして湯灌が生まれた、と。これが現在行われている湯灌の始まりなんです。

ぶっちゃけた話、そんなの歴史もへったくれもないですよね(苦笑)

つまり、現代の湯灌というのは古来から伝わる由緒正しい儀式でもなんでもなく、バブル経済に便乗しただけのサービス業の一つにしか過ぎないんです。意外なことかもしれませんが、これが真実です。

 

葬儀屋と同じ「賤業」

前に私は葬儀屋を「賤業」と言いましたが、湯灌という仕事もそれは同様でしょう。始まりがそんな感じだったわけですから。

 

 

批判覚悟でお話ししますが、葬儀屋のオプションとして存在する湯灌については、個人的には全く必要のない儀式のように思っています。

 

 

湯灌という名を借りただけの薄っぺらなビジネスである以上、湯灌を施工する意味がまるで感じられないからです。

正直言うと、湯灌よりも看護師さんの施すエンゼルケアの方がずっと温かみがあるように思います。なんたって看護師さんというのは、故人が亡くなる直前まで看病していた方達なのですから。

……そんな賤業のいちオプションにしか過ぎない湯灌という仕事をしていた私は、ご遺族から感謝の言葉を頂戴するたびに人としての良心を痛めていました。

この辺りの話は長くなりますので、また改めてしたいと思います。

葬儀屋関係で働く

Posted by チャーリー